光回線の工事に穴あけは必要?気になる工事の手順と費用

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光回線を導入したいと考えても、光ケーブルを引き込むために穴をあけるとなれば、ためらってしまうでしょう。光回線をつなぐ際に穴あけをするかどうかは、以下のポイントが重要となってきます。


・光回線の工事では穴をあけない場合もある。

・賃貸住宅ではオーナーや管理会社への確認が必要。


この記事ではどのようなときに穴あけが必要であり、どのような点に注意すれば良いのか紹介します。

光回線の穴あけ工事は必須ではない!

光回線の工事では、室内へ光ケーブルを引き込むときに、穴あけが必要になる場合があります。ただし、すでに電話線が通っていれば、同じ穴を利用することができます。エアコンを使っているなら、ダクトから通すことが可能です。

そのため、ほとんどの工事において、穴をあけずに光ケーブルを通せるでしょう。

どうしても光ケーブルを通せる穴がなかったり、あっても電柱から離れていたりすると、新たに穴をあけなければいけません。穴の直径は1cm程度で、シーリング加工をするなどして外部から雨水や虫が入り込むのを防ぎます。そのため、極端に住まいの機能性が損なわれる心配はないでしょう。

【マンション・戸建て】光回線の工事の流れ

続いて、光回線の工事はどのような流れで行われるのか見てみましょう。

マンションの場合

マンションの場合は、共用スペースに光回線を引き込んで、各部屋に配線するという流れになるため、基本的に穴をあける必要はありません。

1.電柱から共用スペースに光回線を引き込む

まだマンションに光回線が導入されていないのであれば、近くの電柱から共用スペース(MDF室)へ光ケーブルを引き込み、PT(Premises Termination)という機器と接続します。その先に「スプリッタ」という分配器を取り付けて完了です。

2.共用スペースから室内に光回線を引き込む

次にスプリッタから光回線を使いたい部屋に向かって光ケーブルを通します。基本的には、既存の配管を利用するので、新たに穴をあけることはありません。

3.光コンセントを設置し、光回線に接続する

部屋に通した光ケーブルの終端には、光コンセントを設置します。すでに光コンセントが設置されていれば工事は不要ですが、ない場合は新たに分離型の光コンセント(光ローゼット)を設置する必要があります。

光ローゼットを壁に固定するなら、ビス止めをするために、ビス用の穴をあけなければいけません。床に垂らしたままでも良ければ、ビス止めは不要です。

4.モデムを室内に設置する

光コンセントからは、折り曲げが可能な光ケーブルでONU(光回線終端装置)やホームゲートウェイという機器と接続します。これで工事は完了です。

そこから、直接LANケーブルでつないだり、Wi-Fiに対応したモデムを接続したりすれば、インターネットを使えるようになります。

戸建ての場合

戸建てで光回線の工事を行うときは、穴あけが不要でも、ビス止めが必要になる可能性があります。

1.家の外壁に光キャビネットを設置する

まずは家の外壁に「光キャビネット」という機器を設置します。電柱から引き込んだ光ケーブルを接続し、室内に引き込む光ケーブルへ中継する機器です。

設置にあたってはビス止めが必要で、壁にビス用の穴をあけなければいけません。両面テープで固定する方法もありますが、壁の素材によってはできない場合もあります。

2.電柱から光キャビネットに光回線をのばす

キャビネットを設置したら、電柱から光ケーブルを引き込んで接続します。その際、光ケーブルが動かないように、壁でビス止めをしなければいけません。こちらも可能な限り、両面テープで固定する方法があります。

3.光キャビネットから室内に光回線を引き込む

次に、光キャビネットから室内に光ケーブルを引き込む作業です。先述のとおり、基本的には電話線用の配管か、エアコン用のダクトなどを使って引き込みます。このような穴がなかったり、あっても光キャビネットから離れていたりする場合は、新たに穴をあけなければいけません。

4.光コンセントを設置し、光回線に接続する

光ケーブルを室内に引き込んだら、光コンセントを設置して接続します。すでに光コンセントがあれば工事は不要ですが、なければ新設するか光ローゼットを設置しなければいけません。後者であれば、壁に固定する場合、ビス止めが必要になります。

5.モデムを室内に設置する

光コンセントか光ローゼットの設置が完了したら、折り曲げが可能な光ケーブルでONUやホームゲートウェイと接続して完了です。

光回線の工事にかかる費用

光回線を室内へ引き込む工事にかかる費用は、回線事業者によって異なり、15,000円台で済むところもあれば、40,000円以上かかるところもあります。

また、マンションよりも戸建てのほうが費用がかかりやすいです。ただし、キャンペーンで無料になったり、長期契約によって実質無料になったりする場合もあります。

光回線の工事費については、以下の記事も参考になるでしょう。

光回線の工事費用はどれくらい?4社の費用と無料キャンペーンを比較!

光回線の工事をする際の注意点

最後に、光回線の工事をする際の注意点です。

1.賃貸では事前に管理会社かオーナーに確認する

賃貸住宅は、オーナーの所有物です。借主が勝手に穴をあけるのは原則として認められていません。そのため、光回線の工事で穴あけが生じる場合は、事前にオーナーや管理会社への確認が必要です。

許可をもらえたとしても、原状回復が前提であれば、退去時に設備を撤去した上で、穴をふさがなければいけません。

2.集合住宅でも戸建て向けの工事が必要になることがある

マンションでも集合住宅用の設備を設置できなかったり、大家や住人の同意を得られなかったりするなどして、戸建て用の設備が必要になる場合があります。自分で希望する事業者の光回線を導入したいときも同様です。

戸建て用を導入するなら、光キャビネットを設置しなければいけないので、両面テープで固定できなければビス止めが必要になります。室内に引き込むための穴あけも必要になるかもしれません。賃貸はもちろん、分譲マンションでも外壁は共有部分にあたるため、管理組合(または管理会社)の許可が必要です。

3.時期によっては申し込みから工事までに1~2ヶ月かかる

申し込みから光回線の工事が完了するまでには、早くて2~3週間、混み合っているときは1~3ヶ月ほどかかります。特に3~4月のように引っ越しが集中する時期は、工事が終わるまで長期間待たなければいけません。

あらかじめスケジュールが確定しているなら、余裕を持って申し込んでおきましょう。

4.土日祝日の工事は追加料金がかかることがある

光回線事業者によっては、土日祝日に工事すると、追加の料金がかかります。これらは、先ほどのキャンペーンや長期契約が適用されても無料にはなりません。追加でかかるのは3,000円くらいですが、節約するなら平日に工事するのがおすすめです。

まとめ

光回線の工事では、既存の穴を利用したり、両面テープを使ったりするなどして、ケーブルを引き込むための穴あけやビス止めが不要になる場合があります。どうしても穴をあけたくないときは、工事の前に必ず要望を伝えましょう。賃貸住宅で穴をあけるなら、オーナーや管理会社の許可が必要です。