【光コンセントとは】探し方、設置工事から光回線利用までのすべてを紹介!

この記事は約12分で読み終わります。

光回線を利用するときは、光コンセントが欠かせません。コンセントというと一般的な電源用プラグを差し込むものがあげられますが、光回線用のものは外見も用途も大きく異なります。


・光コンセントの形状は2種類ある

・光コンセントがある場所は大体決まっている

・家に光コンセントがあるメリットとは


ここでは、上記3つのポイントを中心に、光回線の利用に必要な光コンセントについて紹介します。

光コンセントとは、光回線を機器につなぐコンセントのこと!

光コンセントとは、インターネット通信に必要な光回線と機器をつなぐコンセントのことです。光回線によるインターネットを利用するためには、まず回線事業者やプロバイダーと契約したうえで、光コンセントを設置してもらう必要があります。

光回線は近隣の電柱を介して街中に張り巡らされていますが、そのままの状態ではインターネットに接続できません。光回線を建物内へ引き込み、光コンセントを設置する工事を行うことで、光回線によるインターネットが楽しめるようになります。

物件によっては光コンセントがすでに設置されていることがありますが、回線事業者やプロバイダーを契約していなければ利用できない点に注意してください。サービス対象エリア内など、いくつかの条件に合う回線事業者やプロバイダーを選び、契約して光回線使用料やプロバイダー利用料を支払うことでインターネットが利用できます。

光コンセントは、大まかに分けて以下の2種類があります。

・一体型タイプ
・分離型タイプ

ここでは、それぞれの光コンセントの特徴を紹介します。

一体型タイプ

一体型タイプは、最もポピュラーな光コンセントです。その名のとおり電気用のコンセントや電話用のモジュラージャックなどと一緒に設置されているタイプで、一般的な電気用のコンセントよりも大きなカバーで取り付けられています。

光コンセントを介してインターネットに接続するためには、ONUなどの専用機器が必要です。接続のための機器は電気用のコンセントを使用することから、光コンセントと電気用コンセントがまとめられている一体型タイプはつなげやすいメリットがあります。

近年は分譲・賃貸を問わず、新築時やリフォーム時に光回線をあらかじめ建物内へ引き込んでおくマンションが多く、ほとんどが一体型タイプを使用しています。

分離型タイプ

分離型タイプは、電気用コンセントや電話用モジュラージャックなどから独立している光回線です。契約時の工事などで後から光回線を建物内へ引き込んだ場合は、分離型タイプが多く利用されています。

状況に応じて壁に設置するタイプと床に直接置くタイプのどちらかを使用しており、電気用コンセントなどがない場所にも設置できる点がメリットです。一方でエアコンのダクトや壁に開けた穴などから引き込んだ光回線を直接接続しているため、設置方法によっては見た目が悪くなる特徴もあります。

形状は箱型で、壁に設置するタイプであれば見た目もある程度はすっきりとしています。

【探し方】光コンセントの設置場所はどこにある?

光回線の契約を検討している方は、まず光コンセントがすでに設置されているかどうか調べることから始めましょう。光コンセントがあるかどうかで、契約時の申し込み手順や開通までの期間が大きく変わります。

光コンセントは特別な事情がなければ、ほとんどが似たような方法で設置されています。そのことを踏まえ、最初は以下にあげる3つのポイントから光コンセントの設置場所を探してみましょう。

「光」または「光コンセントSC」の文字を探す

光コンセントは特殊な形状をしていますが、デジタル機器に馴染みのない人によってはテレビコンセントなどと見分けが付きにくいこともあるでしょう。形状で判断できないときは、目印となる「光」または「光コンセントSC」の文字を探す方法が確実です。

・一体型タイプ…「光」
・分離型タイプ…「光コンセントSC」

上記のとおり、光コンセントのタイプによって文字が多少異なります。基本的な役割(光回線を引き込むこと)に変わりはないため、まずは「光」または「光コンセントSC」のどちらか一方が記載されたコンセントや機器を探してみてください。

電話用モジュラージャックの近くを探す

複数の居室がある物件の場合、どの部屋にあるのか見当をつけたうえで探しておくと早く見つかります。優先的に探すべき場所は、リビングなど電話用モジュラージャックが設置されている場所です。

一体型タイプは電話用モジュラージャックと一緒に設置されていることが多いため、他の部屋を探す前にチェックしておきましょう。電話用モジュラージャックにも「TEL」と文字の目印や受話器のマークが記載されているため、間違える心配はありません。

探しても電話用モジュラージャックが見つからない場合は、一体型タイプのものを見落としている可能性が考えられます。

エアコンのダクト近くを探す

光回線が建物内へ引き込まれている場所から、光コンセントを探す方法もあります。光回線を引き込む工事で一般的な方法のひとつが、エアコンのダクトを使用することです。特に建物が建築された後から光コンセントを設置する分離型タイプは、エアコンのダクトを介して光回線を引き込んでいるケースがほとんどです。

壁に穴を開けて別のルートから光回線を通している場合もありますが、分離型タイプの光コンセントを探すときは、まずエアコンのダクト近くから探してみてください。

エアコンのダクト近くにケーブルが走っていれば、辿って行くと光コンセントが見つかります。また、モール(ケーブル用カバー)で隠れていることもあります。

光コンセントが設置済なら一部の回線を安くつなげられる!

すでに光コンセントが設置されているのであれば、新たな設置工事は不要です。料金面など条件の合う光回線を選んで契約し、通信機器のレンタルを申し込むだけで手続きは終わります。

通信機器が後日宅配で届くため、説明書などの案内に従って設置すれば、すぐにインターネットを利用できるようになります。工事日程の調整や立ち合いなどで時間をとられることもありません。

近隣の電柱から光回線を引き込んだり、光コンセントを設置したりする工事が省略される分、初期費用が格安で済む点もメリットです。

ただし、光コンセントが設置されていても、必ずしもすべてのインターネットが工事不要で利用できるとは限りません。光コンセントの有無を確認したら、次は工事の必要はないのか確認しましょう。

【設置済】工事不要で接続できる回線

光コンセントが設置済みで工事不要となるケースは、主にNTTが提供するフレッツ光や、NTT系の光回線サービスを利用する「光コラボ」のみです。

光コラボとは光コラボレーションモデルのことで、NTTの光回線を借りてインターネットサービスを提供しています。代表的なものをあげると、以下のサービスが光コラボです。

・ソフトバンク光
・ドコモ光
・So-net光
・ビッグローブ光

上記の他にも、光コラボとしてサービスを提供している事業者があります。光コンセントはNTTの光回線サービスを利用するための設備のため、光コラボに該当しないサービスを契約する場合は改めて工事が必要です。

設置済でも工事が必要な回線

光コンセントが設置されていても、コラボ光に分類されるサービスでなければ既存の設備を活用できません。光コラボ以外のインターネットサービスは、主に独自回線や電力系光回線の2種類があります。

独自回線は各事業者が独自の光回線を利用したもので、電力系光回線は地域の電力会社が提供するインターネットサービスです。独自回線や電力系光回線で代表的なものは、以下の3社があげられます。

・auひかり
・NURO光
・eo光

光コラボとは異なる光回線を使用しているため、仮に光コンセントが設置されている物件であっても、工事をせずに利用することはできません。フレッツ光や光コラボから独自回線や電力系光回線へ乗り換える場合も、逆のパターンも、異なる工事が必要です。

光コンセントがない場合は一から工事が必要

光コンセントが見つからない場合は、光回線によるインターネットを利用するために設置工事が必要です。費用は契約事業者やプランによって多少上下しますが、光コンセント設置費用を含めた開通工事で2万円程度が相場となります。

設置工事そのものはシンプルなため、1~2時間程度で済みます。ただし引っ越しシーズンなど新規申込者数が増えやすい時期は工事の予約が取りにくくなるため、場合によってはインターネット開通まで数週間や1か月程度かかります。

インターネットを利用できない期間を最小限に抑えたい人は、余裕をもって回線契約や工事予約を行いましょう。

光コンセントの工事費用を安く抑える方法

光コンセントを設置する工事は、自力でできるものではありません。そのため2万円前後と高くつきますが、工夫次第で安く抑えることができます。光コンセントの工事費用を安くするためには、以下のチャンスを狙いましょう。

・キャッシュバック制度を利用する
・キャンペーンを利用する

以下の項目で、それぞれ詳しく解説していきます。

キャッシュバックで費用を抑える

プロバイダーが独自のキャンペーンとして、キャッシュバックを行っていることがあります。キャッシュバックは工事費用に相当する金額分が返ってくるケースが多く、プロバイダーごとに適用条件や方法、時期はさまざまです。

たとえば以下のようなキャンペーンがあります。

・工事費無料+一定金額をキャッシュバック

・工事費に相当する金額をキャッシュバック

現金が後日指定口座に振り込まれるケースもあれば、ポイントとして付与されるなど実質的な工事費無料になる方法もあるため、条件のこまかな部分も確認しておきましょう。

工事費無料とは別に、一定金額をキャッシュバックする方法が主流です。タイミングが合えば、高額キャッシュバックを受けられる可能性もあります。

キャンペーンで費用を抑える

インターネット開通を急いでいないのであれば、光回線事業者が工事費無料キャンペーンを行っているときの契約がおすすめです。キャッシュバックキャンペーンとの大きな違いは、実質的に無料になるのか、最初から無料になるのかの違いにあります。

前述したキャッシュバックキャンペーンの場合は、先に工事費用を支払って後日現金やポイントなどで返ってくるタイプです。いわゆる「工事費実質無料」であり、初期費用を抑えられない場合もあります。

中には月額利用料が割引されたり、工事費無料とセットになっていたりするケースもありますが、「工事費無料」と「工事費実質無料」の違いには注意しましょう。

光コンセントの設置工事の流れ

光コンセントの設置工事を行うためには、まず回線事業者・プロバイダーと契約して工事の日程を調整します。工事予定日は申込者や代理人が必ず立ち会う必要があるため、都合のつくよう調整しましょう。

工事の予約が取れたら、当日の工事を待つのみです。基本的な工事は同じですが、一戸建てとマンションの場合でこまかな部分が異なります。

それぞれの工事の手順は、次のとおりです。

一戸建ての場合

一戸建てで光コンセントの設置工事を行うときは、以下の流れで作業が進められます。

1.電柱から光ファイバーケーブルを引き込む
2.回線を室内に引き込む
3.室内に光コンセントを設置する

光回線もとい光ファイバーケーブルは、最寄りの電柱から各戸へ引き込むことができます。光回線はインターネットを使用する部屋まで更に引き込んでいく必要があり、このときに活用されるのがエアコンのダクトなどです。

エアコンのダクトから光回線を引き込めない場合は、電話線の配管を使用したり、壁に穴を開けたりします。引き込んだ光回線をONUやHGWの機器と接続できるよう、光コンセントを設置します。

光コンセントにONUやHGWを接続して、きちんとインターネットが利用できるかどうか確認できれば工事完了です。ONUなどの機器や工事用の道具は担当者が当日持参してくれる他、ONUなど一部の機器のみ事前に宅配で届くこともあります。

マンションの場合

マンションなど集合住宅の場合は、物件ごとに工事方法が異なります。共用スペースにあらかじめ光回線が引き込まれている物件は、電柱から建物まで引き込む作業が不要です。

光回線がない場合は、以下の手順でマンションに光回線を引き込み、各部屋へ光コンセントを設置します。

1.共用スペースに回線を引き込む
2.共用スペースから回線を各部屋に引き込む
3.室内に光コンセントを設置する

先に共用スペースのスプリッタ(分配器)へ光回線を引き込み、そこから各部屋へ回線を更に引き込みます。すでに共用部へ光回線が引き込まれている場合は、スプリッタに光回線があるため、作業は各部屋への引き込みと光コンセントの設置のみです。一戸建てと同じく、最後はONUなどの設置と接続確認を行います。

注意点は、賃貸物件に光回線を引き込むときは、物件の管理会社やオーナーに確認する必要があることです。光コンセントの設置は状況によって壁に穴を開ける作業も含まれるため、オーナーの意向によっては許可が出ない場合もあります。

また、オーナー自身が問題ないと判断しても、マンションやアパートの構造上、工事自体が不可能となる可能性も考えられます。工事を申し込んでも問題ないか、契約前に必ず管理会社やオーナーへ確認しておきましょう。

光コンセントの気になるQ&A

光コンセントの設置は専門の工事担当者が行うため、技術的な心配は必要ありませんが、トラブルを回避するにはある程度の基礎知識が必要です。

最後に、光コンセントを設置するうえで多くの人が気になるポイントを4つ紹介します。

Q.引っ越しするときは撤去が必要?

光回線の引き込み工事を行うとき、退去時の原状回復を条件に許可する管理会社やオーナーもいます。光コンセントの設置済みを売り文句として入居者募集に役立てられるため、ほとんどの場合は無理に撤去を求められることはありません。しかしトラブルを回避するためには、黙って退去せず、管理会社やオーナーへ光コンセントの撤去について確認しましょう。

光コンセントの撤去にも、工事が必要です。万が一撤去してほしいと言われた場合に対応できるよう、準備期間に余裕を持って手続きしておくことをおすすめします。撤去時の費用は、1万円程度が相場です。

Q.光コンセントの増設はできる?

光コンセントの増設を検討している人は、同じ事業者で増設申し込みすれば安く済むのでは、と考えるでしょう。しかし基本的に1家庭に1回線と決まっているため、光コンセントの増設はできません。

どうしても2つ以上の光コンセントを設置したい場合は、すでに契約している光回線とは別の契約が必要です。費用も2回線分が発生するため、よほどの事情がなければ1回線を使用したほうが良いでしょう。

複数の端末に有線接続したいのであれば、回線増設ではなくハブやルーターを使用する方法もおすすめです。

Q.光コンセントの移動はできる?

光コンセントを設置した後に、他の部屋に移動させたいと考えるケースもあります。光コンセントの移動自体は可能ですが、必ず専門の工事業者へ依頼するようにしましょう。

光コンセントの設置工事や異動は「工事担当者」と呼ばれる国家資格が必要です。無資格者が自分で行うことは危険にもつながるため、隣の部屋へ移動する程度の距離であっても、必ず契約中の事業者へ相談してください。

Q.光コンセントのケーブルの延長はできる?

光コンセントのケーブルが短く、ONUやHGW、使用する端末を移動させたいと感じる場合は、ケーブルを長いものに交換することができます。市販のケーブルを購入して自力で交換するのであれば、ケーブル延長にかかる費用は1,000~2,000円程度です。

工事業者に作業を依頼することもできるため、不安な場合は契約先に問い合わせてみてはいかがでしょうか。

まとめ

光回線を利用してインターネットを楽しむためには、光コンセントの設置工事が必要です。物件によっては光回線が共用スペースまで引き込まれていたり、前の入居者が撤去せず残していたりする場合もあるため、まずは光コンセントの有無を確認しましょう。

ただし、光コンセントが設置されていても契約するプロバイダーによっては改めて工事を申し込まなくてはならないケースもあります。