賃貸で光回線を導入するには|確認や手順・選び方

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賃貸住宅で光回線を導入したいときは、自分や家族の持ち家と違って、いくつか事前に確認しなければいけないことがあります。自分が所有していない物件に無断で回線を導入してはいけません。


賃貸で光回線を導入する際は、以下の4点に注意しましょう。


・光回線が建物のどこまで導入されているのか確認する。

・新規に導入する場合は、事前に大家さんや管理会社の許可が必要。

・速度は光回線事業者やプロバイダによって異なる。

・キャンペーンを活用すれば、お得に導入できる。


今回は、賃貸住宅に光回線を導入したい際にどのような手順で導入すれば良いのか紹介します。

賃貸に光回線をつなぎたい!事前に確認すべきこと

初めに、自分が住む、あるいはこれから住もうとしている賃貸住宅に、光回線が導入されているか確認します。大家さんや管理会社に問い合わせると、教えてくれるはずです。

インターネット上でも、各光回線事業者のホームページで検索できる場合があります。例えば、フレッツ光(NTT東日本・西日本)では、住所で検索したときに、導入されている建物の一部が候補の一覧に表示されます。

「光回線完備」であれば、部屋まで光回線が届いていて、すぐに利用できます。部屋の中に専用の差し込み口があるはずです。

差し込み口が「光コンセント」なら高速で利用できるでしょう。電話回線用のモジュラージャック(VDSL方式)やLANの差し込み口(LAN方式)になっていると、最大で100Mbps(0.1Gbps)の速度しか出ません。

賃貸住宅によっては、利用料が家賃の中に含まれている場合もあります。ただし、プロバイダを選べなかったり、契約で速度が制限されていたりする可能性もあるので、必ずしも満足できる環境で利用できるわけではない点は注意しましょう。

「光回線対応」であれば、建物内に設備はありますが、部屋まで回線が引き込まれておらず、基本的に配線工事が必要です。光ファイバーを引き込めるかは、大家さんや管理会社との相談になるでしょう。配線できないなどの理由でほかの接続方式になる場合もあります。

「光回線未対応」なら、新規に導入しなければいけません。建物ごと導入できるのか、個別で導入するのか、大家さんや管理会社と交渉しましょう。

賃貸で光回線をつなぐための手順

続いて、賃貸で光回線をつなぐまでの手順です。

大家さんに伝える

まずは、先述のとおり大家さんか管理会社に光回線をつなぎたい旨を伝えます。すでに部屋まで光回線が引き込まれているなら、次の手順に進めますが、そうでなければ開通するための工事をしなければいけません。

工事の際に、配線やネジ止めで穴を開けるのであれば、大家さんや管理会社の許可が必要です。穴が開くのを嫌がって、工事の許可が下りない場合もあります。そうなると、ホームルーターやモバイルルーターなど、工事が不要な方法を考えなければいけません。

たとえ許可が下りたとしても、退去時に原状回復が必要になる可能性もあるので、しっかりと確認しましょう。

光回線を契約する

大家さんや管理会社の許可が下りたら、利用したい光回線事業者と契約します。ただし、すでに建物に導入されている設備を利用するのであれば、特定の光回線事業者しか利用できません。

例えば、NTTの光回線が導入されているのであれば、フレッツ光や「光コラボ」と呼ばれる事業者との契約は可能です。逆に、auひかりやNURO光を利用したいなら、独自に設備を導入する必要があります。

大家さんや管理会社から許可が下りない可能性があり、部屋が高層階にあると工事ができません。そもそも、エリア外という可能性もあります。

光回線事業者と契約が完了したら、工事の日程を決めます。部屋まで光回線が引き込まれていれば、NTT局内の工事だけで済みますが、そうでなければ屋内や屋外での工事が必要です。早ければ申し込みから2週間ほどで工事が行われますが、引っ越しが多い3~5月など混み合う時期は数ヶ月ほど待たされるかもしれません。

工事が終わったら、専用のONU(回線終端装置)やホームゲートウェイを設置して、設定後にインターネットが利用できるようになります。

賃貸に最適な光回線の選び方

最後に、賃貸住宅で光回線を選ぶときのポイントを見てみましょう。

満足できる速度か

最大通信速度は、光回線事業者のホームページで公開されています。プランにもよりますが、1Gbpsが一般的です。2Gbpsや10Gbpsというプランもあれば、逆に100Mbpsや200Mbpsというプランもあります。

ただし、これらは理論上の数値であって、実際にこの速度が出るわけではありません。光回線はNTT局内で4つに分岐し、近くの電線まで到達した後、スプリッタという機器で最大8つに分岐します。その後、賃貸住宅内ではMDFという装置によって、最大32に分岐するため、同時に接続する人数が多くなるほど、速度が遅くなるというわけです。

また、プロバイダによっても速度は左右されます。NTT局内には各プロバイダの「網終端装置」があり、そこを経由してインターネットに接続できる仕組みです。網終端装置に対して、同時に接続するユーザー数が多いと、処理が追いつかずに速度が遅くなってしまいます。

IPv6(IPoE)という接続方式に対応しているプロバイダなら、従来のIPv4(PPPoE)よりも速くなる可能性があるでしょう。

先述のとおり、部屋までの引き込みが光回線ではなく、電話線やLANケーブルであれば、やはり最大通信速度は100Mbpsにとどまります。可能であれば、戸建てプランを契約したほうが良さそうです。

各光回線やプロバイダの実測値は、インターネット上に口コミが掲載されているので、契約する前に確認してみましょう。特に高画質で動画を見る、Web会議をする、動きの速いオンラインゲームをする場合は、100Mbps以上の実測値が必要です。

スマホセット割適用か

光回線事業者やプロバイダの中には、特定のキャリアのスマホを利用していると、セット割が適用されるところがあります。スマホか光回線の利用料金が、一定額割り引かれる仕組みです。スマホの割引であれば、家族割引のグループ全員が対象になる場合もあります。ひとり暮らしなら、どちらが割引になるか、特にこだわらなくても良いでしょう。

どのキャリアでセット割が適用されるかは、光回線事業者やプロバイダによって異なります。NTTドコモでセット割が適用されるのはドコモ光だけです(2021年10月現在)。auであれば、auひかりやビッグローブ光などが該当します。ソフトバンクは、ソフトバンク光やNURO光などです。

NTTの光回線が引き込まれているなら、どのキャリアのスマホでもセット割を適用できるでしょう。光回線とスマホの両方を利用するとなれば、月額料金も高くなりがちなので、上手に活用したいところです。

キャンペーンがあるか

光回線事業者やプロバイダの中には、期間限定でキャンペーンを実施しているところがあります。例えば、工事費が無料、月額料金を割引するパターン、またほかの光回線事業者やプロバイダを解約するときの違約金を負担してくれることもあります。

光回線を新規に導入すると、高額の初期費用が発生します。すべて含めると5万円近くかかることも珍しくありません。キャンペーンを利用すれば、小さい負担で光回線を導入できるでしょう。

光回線事業者やプロバイダでキャンペーンを実施していなくても、代理店で独自に実施している場合もあります。代理店のほうが、最大で10万円以上お得になるなど、特典が豪華です。

ただし、キャンペーンの適用にあたっては、特定のオプションに加入するなど条件があります。利用にあたっては、キャンペーンが適用される条件や特典を受け取るタイミングを確認しましょう。

特典のひとつである現金のキャッシュバックについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。

「キャッシュバックが高額な光回線まとめ!選ぶときの注意点も紹介」

まとめ

賃貸住宅で光回線を導入したいときは、事前に大家さんや管理会社への確認が必要です。工事が発生する場合は、許可を受けなければいけません。速度は光回線事業者やプロバイダによって異なります。契約前に口コミを調べておくと良いでしょう。キャンペーンによってお得に導入できる場合もあります。