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【在宅勤務】インターネット環境に必要な3つの要素
在宅勤務をするときのインターネット環境は、これから紹介する3つの要素を満たしているのが理想です。
1.通信速度
在宅勤務では、チャットやメール、仕事で使う資料のダウンロードや共有、ビデオ会議などで、大量のデータを送受信します。インターネット回線の通信速度が遅いと、反応が鈍くなったり、画面が表示されなかったり、音声が途切れたりするので不便です。
さまざまな見解がありますが、一般的にビデオ会議をするなら、最低でも下り上りとも5Mbps以上の通信速度が必要になります。ただし、参加者が3人以上いたり、画質や音質にこだわったりすることもあるでしょう。その場合は、30Mbps以上あると、途切れることなく安定してビデオ会議ができます。
2.セキュリティ
在宅勤務では、社外に重要なデータを持ち出す機会が多いため、漏えいを防ぐためにもセキュリティ対策は欠かせません。インターネット上や端末上で対策するのはもちろん、USBメモリなど外部記憶装置の管理にも注意を払ったり、誰かに画面を見られないようにしたりするなどの配慮が必要です。
自宅なら安心と思われるかもしれませんが、想定外のリスクが潜んでいます。例えば、Wi-Fiです。ルーターに接続するパスワードを知られると、簡単に通信内容を傍受されてしまいます。
3.安定性
データを滞りなくやり取りするには、通信速度だけでなく、通信そのものが安定していなければいけません。たびたび切断されてしまうようでは、仕事に支障をきたしてしまいます。切断されにくいのはもちろん、通信速度も安定していると、快適に利用できるでしょう。
【在宅勤務】インターネット環境を整備するときのポイント
続いて、在宅勤務向けにインターネット環境をどのように整備すれば良いのか、ポイントをふたつ見てみましょう。
インターネット:速度制限のない「光回線」を利用する
インターネットの接続方法は、大きく分けてふたつあります。ひとつは光回線をはじめとする有線での接続、もうひとつはホームルーターやポケットWi-Fi、スマートフォンのテザリングなど無線の接続です。
有線の接続は、工事こそ必要ですが、切断されることは滅多になく、通信速度も安定しています。特に光回線は、ほとんどの事業者で最高通信速度が下り上りとも1Gbps以上です。あくまでも理論上の数値ですが、実効速度で300Mbps以上出る場合もあります。データ通信量の制限もありません。
無線の接続は、工事が不要ですし、ポケットWi-Fiやテザリングであれば、手軽に外へ持ち出せます。一方で、無線の性質上、接続が不安定になって、切断されやすいのが難点です。
最高通信速度も2.7Gbpsなど、光回線より速いポケット無線接続もありますが、そこまで出ることはありません。実効速度は100~200Mbpsくらいです。上りは最高でも200Mbps弱が限界で、実効速度はさらに遅くなります。
また、無線の接続はデータ通信量の制限があるのが悩ましいところです。月間では無制限でも、直近の3日間で制限を超えると、通信速度が極端に遅くなる無線の接続もあります。
ビデオ通話は、アプリによって1時間あたりに消費するデータ通信量が250MBから1.5GBです。仕事中繋いだままにしていると、3日どころか1日で上限に達してしまうでしょう。毎日、通信速度に制限がかかるようでは、仕事にならなくなってしまいます。
光回線は、初期費用が高く、月額料金も割高ですが、事業者によってはキャンペーンによってお得に利用できる場合もあります。通信の安定性やデータ通信量無制限で利用できるメリットを考慮すると、在宅勤務のインターネット環境は光回線一択でしょう。
セキュリティ対策:セキュリティソフト・VPNを導入する
セキュリティ対策としては、パソコンやスマートフォンに最低限セキュリティソフトをインストールしておきましょう。セキュリティソフトは、ウイルスの侵入や不正アクセスを検知して、端末が被害に遭うのを防いでくれます。在宅勤務で使うなら、機能が充実している有料のセキュリティソフトを選びましょう。
ただし、セキュリティソフトだけでは、通信内容の傍受を防ぐのに限界があります。在宅勤務のために専用回線を引くのは、費用を考えると現実的ではありません。そんなとき、専用回線の代わりになってくれるのが「VPN(仮装専用回線)」です。
VPNは、データを送信する際に暗号化して、受信時に元に戻します。共通のルーターやソフトウェアを介してデータの送受信が行われるため、第三者はたとえ通信を傍受できても、内容までは見られません。
費用は専用回線よりも、はるかに安価ですが、在宅勤務で使うなら勤務先でも同じVPNを導入している必要があります。勤務先で導入を検討してもらうように働きかけましょう。
【在宅勤務】おすすめの光回線
光回線を提供する事業者は数多く存在します。その中から在宅勤務におすすめの光回線を3つ紹介しましょう。
1.NURO光
NURO光は、ソニーが提供する光回線です。NTTの「ダークファイバー」という、未使用の光回線をレンタルしており、さらに独自の技術で下り2Gbpsという最高通信速度を実現しています(上りは1Gbps)。実効速度も平均値は400Mbpsですから、在宅勤務で不自由することはないでしょう。
工事費は44,000円ですが、キャンペーンによって分割支払い額と同額が毎月の利用料金から割り引かれるので、プランによって2年か3年継続して利用すると実質無料です。Wi-Fiルーターも無料でレンタルできます。
さらに、カスペルスキー社のセキュリティサービスをオプションで追加することが可能です。2年契約か契約期間の定めがなければ無料、3年契約でも月額550円で利用できます。
ソフトバンクの携帯電話を利用しているなら、「おうち割光セット」の対象です。携帯電話の月額料金が、プランによって550円か1,100円割り引かれます。家族割引のグループを組んでいる家族も対象になります。ただし、「NURO光でんわ」も契約しているのが条件となります。
NURO光は提供エリアが限られており、東北や甲信越、北陸、和歌山県、山陰、山口県、四国、福岡県と佐賀県以外の九州、沖縄県では利用できません。同じ都道府県内でも、提供できるエリアと、できないエリアがあります。また、プロバイダはSo-netのみです。
2.auひかり
auひかりは、KDDIが提供しています。ホーム1GBの場合、最高通信速度は下り上りとも1Gbpsです。電力会社の光回線やNTTのダークファイバーを使っているので、NTTが提供する光回線(フレッツ光や光コラボなど)より混雑しづらいというメリットがあります。
実効速度はエリアにもよりますが、下りで300Mbps台、上りで200Mbps台です。在宅勤務では特に不自由しないでしょう。
auひかりの工事費は、ホームタイプで41,250円、マンションタイプで33,000円かかります。どちらも分割支払い額と同額が、毎月の利用料金として割り引かれるので、ホームタイプは3年、マンションタイプは2年継続して使うと実質無料です。
プロバイダはau one netなど8種類の中から選べて、その分の追加料金は発生しません。プロバイダごとに独自のオプションサービスを提供しており、DTI以外は有料でセキュリティサービスを利用できます。
さらに、auの携帯電話を利用していると、「auスマートバリュー」の対象です。プランによって携帯電話の月額料金が550円か1,100円(現行プランの場合)割り引かれます。家族割のグループを組んでいる家族も対象です。ただし、インターネットに加えて電話もセットにしなければいけません。
auひかりは、一部エリア外の都道府県があります。エリア外にお住まいの場合は、コミュファ光やeo光など、系列の電力会社や子会社が提供する光回線があるので、利用を検討してみましょう。
3.ドコモ光
ドコモ光は、NTTドコモが提供する光回線です。NTTの光回線を使う光コラボの一種でもあります。最大通信速度は下り上りとも1Gbpsです。プロバイダは、ドコモnetなど23種類の中から選べます。独自にプロバイダと契約することも可能です。
実効速度はプロバイダによって左右され、時間帯による変動もあります。ユーザー数に対して設備が充実しているのはもちろん、IPv6(IPoE)という接続方式に対応しているプロバイダを選ぶと、混雑しづらいでしょう。平均すると下りは200Mbps台半ば、上りは200Mbps弱です。
工事費は、戸建タイプで19,800円、マンションタイプで16,500円かかりますが、キャンペーンにより無料となっています。月額料金からの割引で実質無料になるのではなく、最初から無料のため、気軽に導入できるでしょう。
さらに、NTTドコモの携帯電話を利用していると、「ドコモ光セット割」の対象になります。割引額は最大で1,100円です。ファミリー割引のグループを組んでいる家族も対象になります。ほかの事業者と違って、光電話のセットは不要です。NTTドコモの携帯電話でセット割を適用できるのは、ドコモ光しかありません(2021年12月現在)。
NTTの光回線があるところなら、全国どこでも利用できるのは便利です。
まとめ
在宅勤務のインターネット環境を整備するときは、回線の通信速度や安定性、セキュリティを重視しましょう。回線の通信速度や安定性は、光回線が圧倒的に優れています。工事費はかかりますが、キャンペーンが適用されるとお得です。セキュリティ対策としては、セキュリティソフトやVPNの利用を検討してみましょう。