引っ越しのとき光回線はどうすべき?継続の手続きや見直し

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引っ越しするときに、同じ光回線を引き続き使うなら手続きが必要です。手続きをしないと、引っ越し先でインターネットを利用できません。本記事では、引っ越しの際に光回線をどのように手続きすれば良いのかについて、流れや注意点を紹介します。


・引っ越し先で光回線が導入されていなければ工事が必要で、費用もかかる。

・引っ越しを機に別の光回線へ乗り換えるのもおすすめ。

引っ越し先で光回線を継続できる場合とできない場合

本来であれば、引っ越し先でも同じ事業者の光回線を継続できるのが望ましいでしょう。しかし、何らかの理由で継続できない場合もあります。

継続できる場合

引っ越し先が、現在利用している回線事業者のエリア内であれば、継続は可能です。ただし、引っ越し先に光ケーブルが引き込まれていなかったり、設備がなかったりするなら、工事が必要になります。

工事にかかる費用は、新たに開設するのとあまり変わらないか、安くても半額くらいです。土日祝日の工事であれば、追加料金を支払わなければいけません。光電話や光テレビを利用していると、さらに費用は上乗せされます。ほかにも事務手数料が必要です。

回線事業者や光コラボレーションの中には、キャンペーンで工事費を無料にしたり、長期契約で実質無料にしたりするところがあります。これらを活用すれば、光回線の引っ越しにかかる出費を節約できるでしょう。

なお、すでに室内まで光ケーブルが引き込まれていて、設備も整っている場合は、工事は不要です。回線事業者側で使えるように手続きするだけで、費用も2,000円台と安く済ませられます。あとは、自分でONU(回線終端装置)やホームゲートウェイを接続するだけです。

継続できない場合

引っ越し先が、現在利用している回線事業者のエリア外であれば、残念ながら継続はできません。エリア内であっても、集合住宅では異なる光回線が導入されていて、希望の光回線を利用できない場合があります。

特に、auひかりやNURO光のように、NTTではない独自の光回線を使っていたり、全国展開していなかったりする回線事業者だと継続が難しいでしょう。

また、賃貸住宅で新たに光回線を引き込む場合は、オーナーや管理会社の許可が下りないと工事ができないため、継続することができません。

継続できないと、その回線事業者やプロバイダは解約となり、長期契約をしていると、更新月でなければ違約金が発生します。回線事業者によっては、光ケーブルや関連設備を撤去する費用も必要です。

引っ越しで光回線を継続する際の手続き

続いて、引っ越し先で現在の光回線を継続したいときは、どのような手続きが必要になるのか見てみましょう。

契約内容の確認

まずは契約内容を確認します。光回線でインターネットに接続するには、回線事業者とプロバイダの契約が必要です。別々に契約する場合もあれば、両者がセットになっている契約もあります。

前者であれば、引っ越しにあたってそれぞれに連絡をしなければいけません。後者であれば、基本的にプロバイダへ連絡するだけで、回線事業者への手続きも完了します。

引っ越し先の確認

続いて、現在使用している光回線が引っ越し先でも継続可能であるかどうか、問い合わせ窓口に確認しましょう。エリア内か、回線はすでに導入されているか、導入されていない場合は工事できるか、などです。

基本的には先方で調べてくれますが、賃貸住宅の場合、工事の可否について自分でオーナーや管理会社に問い合わせなければいけないケースがあります。

継続の手続き

確認の結果、継続できるのであれば、手続きを行います。引っ越し先の住所やIDなど、必要事項を伝えた上で、工事日を決めるのが基本です。回線事業者によっては、現在の住まいの光ケーブルや関連設備を撤去する工事が必要になる場合があります。賃貸住宅で原状回復を求められた場合も同様です。

光ケーブルや関連設備は、電気工事士の資格がないと撤去できません。撤去したものは回線事業者側で回収する必要があります。自分で撤去すると違法になるので注意しましょう。

レンタルしている機器については、返却を求められたら指示に従います。自分の所有物ではないので、勝手に処分してはいけません。同じ回線事業者・プロバイダで、同じプランのまま継続するなら、引っ越し先でも利用できる可能性があります。

光回線を引っ越す際の注意点

最後に、光回線を引っ越す際の注意点を見てみましょう。

原状回復が必要になる場合がある

賃貸住宅で光回線を使っていると、退去の際にオーナーや管理会社から原状回復するよう指示を受ける場合があります。そうなると、必ず光ケーブルや関連設備を撤去しなければいけません。ケーブルを通したり、ビス止めをしたりするために穴をあけているなら、元通りにふさぐ必要があります。

放置したまま退去しても、オーナーや管理会社側で工事を行い、後から本人や保証人が費用を請求されるでしょう。裁判沙汰になると、そのための費用が上乗せされて、さらに高額になるかもしれません。

費用は、NTTや同社の光コラボレーションのように無料のところもあれば、auひかりのように30,000円以上かかるところもあるなど、回線事業者によってまちまちです。

無料でも、穴をふさぐために別途費用がかかったり、そもそもふさいでくれなかったりする場合もあります。後者なら、別の業者に依頼しなければいけません。

退去時になって慌てないように、原状回復の有無については、光回線を導入するときに確認しておきましょう。

インターネットを使えなくなる期間が出る可能性

引っ越しが集中する3月や4月は、光回線の移転工事が殺到し、申し込みから開通まで長期間待たされがちです。通常なら2~3週間で終わるのが、1~3ヶ月ほどかかるのも珍しくありません。当然、その間はインターネットを使えなくなってしまいます。

あらかじめ引っ越しのスケジュールが決まっているなら、余裕を持って継続の申し込みをしましょう。

立ち会いが必要になる

引っ越し先で新たに光回線の工事をするのであれば、立ち会いが必要です。入居までに開通を済まそうとするなら、工事のたびに行き来しなければいけません。引っ越し先が遠方にある場合は大変です。NURO光のように、室内と屋外で工事の日程が分かれていれば、2回行き来することになります。

違約金が発生する可能性

原則として、引っ越し先でも同じ回線事業者・同じプロバイダで継続するなら、違約金は発生しません。しかし、回線事業者やプロバイダを変更したり、エリア外で継続できなかったりすると、解約しなければいけないので、違約金を請求されるおそれがあります。

例えば、2年契約や3年契約をしている場合です。ただし、更新月(25ヶ月目や37ヶ月目など)であれば、解約しても違約金は請求されません。なお、長期契約の縛りがなくても、最低利用期間を満たしていなければ、違約金が発生します。

ほかにも、工事費や機器の代金を分割払いしていると、解約時に残債を一括払いしなければいけません。さらに、戸建て住宅のように、光ケーブルや設備の撤去にかかる費用を請求される場合もあります。

これらをトータルすると数万円にもなるため、事前にどれくらいの違約金が発生するのが、回線事業者やプロバイダに確認しましょう。

引っ越しを機に光回線を見直すなら

引っ越しを機に、光回線を乗り換えるという選択肢もあります。先述のとおり、引っ越しによる継続では、前の住まいから光ケーブルや関連設備を撤去する費用がかからないだけで、新たな住まいの工事費は従来どおりかかるのが一般的です。

乗り換えの手続きは、現在使用している回線と新しく使用する回線のふたつで進めなければいけませんが、それほど負担にはならないでしょう。

さらに、光回線は年々新たな技術やサービスが登場しており、乗り換えるほうが快適に利用できる可能性があります。例えば、通信速度の高速化や、IPv6による混雑の回避などです。料金面でも、指定のキャリアのスマートフォンと一緒に使えば、割引が適用されます。

ただし、長期契約をしていると、更新月でないときに乗り換えるのは違約金が気になるかもしれません。そこで、回線事業者や光コラボレーション、プロバイダ、代理店の中には、違約金や撤去にかかる費用に相当する額をキャッシュバックして、乗り換えを促しているところもあります。

先ほどの工事費無料のキャンペーンや長期契約と併用すれば、少ない負担で光回線を乗り換えられるでしょう。

なお、このようなキャッシュバックでは、選択できるプランが限定されていたり、光電話や光テレビといったオプションの契約が必須になっていたりする場合があります。利用にあたっては、キャッシュバックが適用される条件を必ず確認しましょう。

まとめ

光回線を引っ越したいときは、窓口となる回線事業者かプロバイダに連絡します。エリア内であれば、引っ越しが可能であり、手続きの上、工事日を決めるという流れです。

引っ越し先に光回線が導入されていなければ、新たに開設するのと変わらないくらいの工事費がかかるため、これを機に乗り換えるという選択肢もあります。タイミングによっては違約金が発生しますが、相当額をキャッシュバックしてくれるところなら、お得に乗り換えられるでしょう。