目次
【プラン別】フレッツ光の通信速度
フレッツ光の通信速度は、10Gbps、1Gbps、200Mbps(0.2Gbps)、100Mbps(0.1Gbps)の4種類です。プランによって最大通信速度が異なります。10Gbps(フレッツ光クロス)は2020年4月から提供が始まり、利用できるのは東京都内の一部だけです。
通信速度が違っても、利用している光ファイバーは同じであり、宅内装置や配線、通信技術などの違いによって、通信速度を変えています。そのため、1Gbps以下であればプランの切り替えで簡単に速度の変更が可能です(10Gbpsに変えるのは工事が必要になります)。
これらの通信速度は、あくまでも技術規格上の最大値であり、実際の速度(実効速度)はもう少し遅くなります。しかし、ほとんどの利用目的において、1Gbpsの通信速度は必要ありません。
例えば、LINEやSNSでメッセージをやり取りするくらいなら、1Mbps程度で十分です。Webサイトの閲覧が中心であれば、3Mbpsくらいから快適になるでしょう。ただし、画像を多用するWebサイトを表示するなら、10Mbpsほどの通信速度が必要です。
動画はYouTubeの標準画質で5Mbps、高画質で10Mbpsが目安となります。4Kの動画をストリーミングで再生するなら、25Mbpsの通信速度がないと厳しいでしょう。テレワークやオンライン授業も同様の通信速度が求められます。
オンラインゲームは、最低でも30Mbps、できれば50Mbps以上出るのが理想です。「FPS(ファーストパーソン・シューティングゲーム)」という、仮想空間でリアルタイムに戦うゲームであれば、100Mbps以上が必要になるでしょう。
「ping値」で計測される応答速度も短いほど良いですが、これは通信速度ではなくプロバイダによって左右されます。
以上を踏まえた上で、フレッツ光はどれくらいの通信速度が出るのか、プラン別に見てみましょう。
フレッツ 光ネクスト
フレッツ光ネクストは、最大通信速度が100Mbps~1Gbpsであり、全国の戸建て住宅やマンションで利用できます。
全部で8種類(東日本の場合、西日本は6種類)のプランがあり、名称に「ギガ」(西日本は「隼」)が入ると、最大通信速度は1Gbpsです。「ハイスピードタイプ」であれば200Mbpsで、それ以外は100Mbpsが最大通信速度となります。
いずれのプランでも、光電話や光テレビといったオプションの利用が可能です。月額料金や新規工事費は以下のとおりとなります。
| NTT東日本 | NTT西日本 | |
戸建てプラン | 月額料金 | 5,720~6,270円 | 5,940円 |
新規工事費 | 19,800円 | ||
マンションプラン | 月額料金 | 3,135~4,785円 | 3,520~4,950円 |
新規工事費 | 16,500円 |
このほかに、契約料として880円が必要です。いずれも定期契約によって月額料金が割り引かれますが、更新月以外で解約すると、解約金が発生します。あくまでも光回線だけで、プロバイダの利用料金は別に支払わなければいけません。
フレッツ 光ライト
データの通信量によって月額料金が変わる従量制のプランです。最大通信速度は戸建て、マンションとも100Mbpsとなります。月額料金と従量部分の通信量は以下のとおりです。
| NTT東日本 | NTT西日本 | |
戸建て向け | 月額料金 | 3,080~6,380円 | 3,520~6,600円 |
従量部分の通信量 | 200~1,200MB | 320~1,320MB | |
戸建て向けプラス | 月額料金 | 4,180~6,050円 | なし |
従量部分の通信量 | 3,000~10,000MB | ||
マンション向け | 月額料金 | 2,200~4,730円 | 2,860~5,940円 |
従量部分の通信量 | 200~970MB | 320~1,110MB |
どのプランも従量部分を超えて使ったときの月額料金は、フレッツ光ネクストよりも割高になります。普段はメールやSNS、Webサイトの閲覧くらいで、動画も見ないし、ゲームもしないのであれば、お得といえるでしょう。
新規工事費や契約料は、フレッツ光ネクストと同じです。プロバイダの月額料金は別にかかります。
速度に影響が出る原因とは
続いて、フレッツ光が遅くなる原因と対処法について見てみましょう。
ユーザーが多いから
総務省が公表している「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データ(令和3年度第一四半期)」によると、フレッツ光のシェアは64.2%にもおよびます。光回線の中ではダントツのユーザー数です。この中には、光コラボレーションのユーザーも含まれています。
光回線は1本の光ファイバーを複数のユーザーでシェアする方式です。まず、最寄りの局内で4分割され、電柱に取り付けられている光スプリッタの中で8分割されます。
つまり1Gbpsが最大で32分割されるため、同時に接続すると理論上は30Mbps(0.3Gbps)くらいの通信速度しか出ません。マンションでは、さらに最大で32分割されるので、通信速度はもっと遅くなるでしょう。
また、光回線事業者では、「QoS」という機能を用いて、データの送受信の遅延が許されない光電話や光テレビの通信を優先しています。そのため、光電話や光テレビを利用するユーザーが多いほど、通信速度も遅くなりがちです。
プロバイダによる速度
プロバイダが原因になっている場合もあります。例えば「網終端装置」です。フレッツ光では、網終端装置を経てプロバイダと接続しています。しかし、ひとつの網終端装置で接続できるユーザー数には限界があり、上限に近づくほど混雑するので、これも速度が低下する原因です。
網終端装置はユーザー数に応じて、NTT側で増設できますが、条件が厳しくて簡単には認められません。そのため、ユーザー数が多い割に網終端装置が少ないプロバイダは混みやすいといえるでしょう。
もうひとつの原因が「接続方式」です。従来のIPv4(PPPoE)という接続方式は、データの経路が限られているので、ユーザーが集中すると混雑します。最新のIPv6(IPoE)という接続方式なら、経路が複数あるため、混雑の緩和が可能です。
ただし、Webサイトの中にはIPv4でなければ接続できないところもあります(ゲーム用のサーバーなど)。そのため、IPv4 over IPv6という接続方式を採用しているプロバイダがほとんどです。
従来のIPv4で接続しているなら、IPv6で接続できるプロバイダに変更してみると良いでしょう。変更にあたっては、IPv6の接続方式に対応した機器も必要になります。
時間帯
通信速度が遅くなりやすいのは、ユーザーが集中する夜間です。土日祝日といった休日は、終日混み合います。どうしても高速でインターネットを利用したい場合は、これらの時間帯や曜日を避けたほうが良いでしょう。
まとめ
フレッツ光は、プランによって100Mbps~10Gbpsまでの通信速度を選べます。ただし、ユーザー数が多いため、混雑しているときは期待しているほどの速度が出ません。より速いプランに切り替えたり、プロバイダを変更したりすると、改善される可能性があります。