auひかりの通信速度が遅いのはなぜ?その原因と改善方法を解説

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auひかりは、光回線の中でも通信速度の速さに定評があります。その理由は、独自の光回線網を利用しているからです。しかし、期待したほどの速度が出ないときは、どこかに問題があるかもしれません。


auひかりが遅いと感じたときは、以下の点を確認してみましょう


・ルーターなどの機器を交換

・配線方式を確認する

・通信障害が起きていないか


この記事では、改善するための方法を紹介します。

【簡単】遅いと感じるauひかりの速度測定方法

まずは、現時点でどれくらいの通信速度が出ているのか測定してみましょう。Googleでは、「スピードテスト」と入力して検索すると、検索結果の上部に「インターネット速度テスト」が表示されます。「速度テストを実行」というボタンをクリックすると、ダウンロードとアップロードのテストが実行され、測定結果が表示されます。

検索結果には、ほかのスピードテストも表示されるので、いろいろ試してみると良いでしょう。auひかりの公式サイトでも「スピードチェック(通信速度測定)」というページで測定できます。

測定方法に違いがあるため、結果にはバラつきがありますが、ホーム1Gbpsの場合、概ねダウンロードで300~400Mbps、アップロードで200~300Mbpsの速度が出るようです。

インターネットを快適に利用するには、Web会議やリアルタイムのオンラインゲームをする場合でも、100Mbpsの速度があれば十分だといわれています。auひかりの速度なら、特に遅いと感じることはないでしょう。

もし、測定結果が上記よりも大きく下回っているなら、何らかの問題が起きている可能性があります。

auひかりの通信速度が遅い3つの原因

なぜauひかりの通信速度が遅くなるのか、考えられる主な原因を3つ見てみましょう。

【原因1】接続機器の劣化

まずは接続機器の問題が考えられます。高速でデータをやり取りするには、接続機器もそのような仕様になっていなければいけません。技術の進歩は目覚ましく、数年前の接続機器でも、現行の通信速度に対応できないものがあります。例えば、ホームゲートウェイやルーター、LANケーブル、パソコン、スマートフォンなどです。

仕様上は問題がなくても、接続機器が不調だったり、故障していたりすると、通信速度は遅くなってしまいます。

【原因2】マンションの配線方式

auひかりのホームタイプは、1ギガプランなら1Gbps、一部地域で提供している5ギガプランは5Gbps、10ギガプランなら10Gbpsが最高通信速度です。しかし、マンションタイプは、導入している設備や配線方式によって、最高通信速度が異なります。

電話回線で配線しているVDSL方式のタイプV、イーサーネットで配線しているLAN方式のタイプEは100Mbpsです。光ケーブル方式でも、タイプFのように最高速度が100Mbpsに抑えられているプランもあります。光ケーブル方式で、最高速度1Gbpsで利用できるのは、「ギガ」と「ミニギガ」だけです。

さらに、ホームタイプは自宅のONU(回線終端装置)に到達した速度のままで利用できますが、マンションタイプは同時に利用しているユーザーの数によって分割されます。仮に100Mbpsで到達して、10人が同時に利用していれば、最高速度は10Mbpsしか出ません。1Gbpsでも100Mbpsが上限となります。

集合住宅に導入する設備は、オーナーの意向や建物の状況によって異なるため、自分で選ぶことはできません。独自にホームタイプを導入する方法もありますが、設備を取り付けたり光回線を引き込んだりするために穴を開ける必要があると、許可が下りづらいでしょう。

【原因3】通信障害

au側の問題で通信障害が発生し、通信速度が遅くなる場合もあります。例えば光ケーブルの断線や設備の不具合などです。台風など自然災害の後も、通信障害が起こりやすくなります。自力では対処できないので、復旧するまで待つしかありません。

メンテナンスによっても、通信障害は発生します。一時的に設備を止めるなどして、通信できないようにするからです。

いずれも、auひかりのトップページにある「サービス・お手続きに関するお知らせ」の「障害・メンテナンス情報」をクリックすると、詳細を確認できます。

なお、光回線ではなくプロバイダ側の問題で通信障害が発生する場合もあるので、auで該当する情報が見つからなければ、プロバイダの公式サイトも確認してみましょう。

auひかりの通信速度を改善するための方法

通信速度が遅い原因が、通信障害やメンテナンスなど、auやプロバイダ側の問題でなければ、自力で改善できる可能性があります。

機器の状態を確認する

まずは、インターネットに接続する機器の仕様を確認してみましょう。auひかりの平均速度を考慮すると、最低でも500Mbps、できれば1Gbpsの通信速度に対応しているのが理想です。

例えば、ルーターを経由してWi-Fiで接続する場合は、IEEE 802.11という通信規格が、acやnでなければいけません。前者は5GHzの周波数帯を利用しており、最高通信速度は6.9Gbpsです。後者は2.4GHzの周波数帯を利用しており、最高通信速度は300Mbpsとなります。

5GHzの周波数帯は、ほかの電波の干渉を受けづらい反面、障害物に弱く遠くまで届きづらいのが欠点です。2.4GHzの周波数帯は、ほかの電波の干渉を受けやすいですが、障害物に強く遠くまで届きます。両方に対応していれば、家の中ならどこでも安定してインターネットを利用することが可能です。

近年は、「IEEE802.11ax」という新しい規格も登場しています。両方の周波数帯に対応しており、最高通信速度は9.6Gbpsです。「Wi-Fi6」とも呼ばれています。

続いて、LANケーブルです。CATという規格があり、数字が大きくなるほど、通信速度が速く、一度に大量のデータを送受信できます。最高通信速度が1Gbpsであれば、CAT6以上のLANケーブルを選ぶと良いでしょう。

そして、パソコンやタブレット、スマートフォンなど、受信する端末の仕様です。Wi-Fiで接続する場合は、同じ通信規格に対応していなければいけません。LANケーブルで接続する場合も、イーサーネットの規格は1000BASE-T以降です。

ほかにも、搭載しているCPUやGPUの処理能力、メモリによって、データは受信できても、処理されるまで時間がかかる場合もあります。通信速度に不満があって、ほかの接続機器に問題がなければ、買い替えを検討してみましょう。

接続機器を再起動する

接続機器の仕様は基準を満たしているのに、通信速度が遅い場合は、再起動を試しましょう。接続機器に限らず、電気製品は一度エラーが発生すると、解消しないまま動き続けてしまいます。再起動をすることで、エラーをリセットできる可能性があります。

ONUやホームゲートウェイ、ルーター、パソコン、タブレット、スマートフォンなど、ひととおり再起動してください。可能であれば、完全に電源を落として、時間をおいてから再起動するのがおすすめです。

長時間動き続ける電気製品は熱がこもりやすく、それが原因で不具合が起こる場合もあります。そのため、電源を落とせば放熱が可能になります。

それでもauひかりの通信速度が改善しない場合は?

これまで紹介した方法を試しても、通信速度が改善しない場合は、auひかりやプロバイダ側に問題があるかもしれません。

auひかりのサポートセンターやプロバイダに相談

auひかりやプロバイダのサポートに相談すれば、可能な範囲で速度が遅くなっている原因を調べてくれます。サポートの電話番号は、開通時に送られてきた書類や公式サイトなどで確認できるでしょう。

auのサポートは、通話料が無料で、毎日9時から18時まで年中無休で対応してくれますが、プロバイダの対応はまちまちです。通話料が有料だったり、平日のみ対応したりするところもあります。

同じauひかりでも、プロバイダによって混雑の度合いが異なるため、プロバイダを変更すれば通信速度が改善するかもしれません。

ただし、プロバイダを変更するには、一度auひかりの契約を解除してから、新たなプロバイダで再契約しなければならないため、費用がかかります。工事費や事務手数料、契約解除料などです。

別の光回線に乗り換える

auひかりでも、エリアによってはユーザーが多く、期待したほどの通信速度が出ない場合があります。光回線の通信速度は、自宅に到達するまで最大で32分割されるため、最高通信速度が1Gbpsでも、約30Mbpsしか出ないことがあります。

この場合は、別の光回線に乗り換えると、通信速度が安定する可能性があります。ただし、乗り換えにあたっては数万円単位で、契約解除料や設備の撤去費が発生するため、簡単には踏み切れないでしょう。

光回線を提供する事業者の中には、乗り換えで発生する費用をキャッシュバックで負担してくれるところがあります。代理店であれば、さらに独自のキャンペーンで上乗せしてくれるところも多いでしょう。上手に使えば、乗り換えの負担が減り、安定した通信速度でインターネットを利用することができます。

まとめ

auひかりの速度が遅いのは、接続機器に問題があったり、マンションであれば設備や配線方式の影響だったり、通信障害やメンテナンスが発生していたりするのが原因です。

接続機器を最新の通信規格に対応しているものに変える、または再起動すると改善するかもしれません。どうしても改善しない場合は、別の光回線に乗り換えることをおすすめします。