【ビッグローブ光】IPv6ってなに?通信が快適になる理由を解説

この記事は約8分で読み終わります。

ビッグローブ光の最高通信速度は1Gbpsです。通常なら不便なく使える通信速度ですが、何らかの理由で極端に遅くなる場合があります。そんなとき、IPv6を使えばいつでも快適にインターネットを利用できます。なぜIPv6にすると、通信速度が改善されるのか、理由と切り替え方法について紹介します。

ビッグローブ光をIPv6で接続するには

・新規で光回線を利用する場合は手続き不要

・すでに利用していて未対応の場合は、オプションの申し込みが必要

・対応機器はレンタルするか、自分で購入する

通信が快適になる!?「IPv6」について知る

まずは、IPv6の仕組みについて知っておきましょう。

「IPv6」とはインターネット通信規格のひとつ

IPv6のIPとは「Internet Protocol」の略であり、「インターネットの通信規格」のことを指します。

インターネットでWebサイトにアクセスするときは、画面を表示するようリクエストして、データを送信してもらいます。そのためには、互いのアドレスを知っておかなければいけません。そこでIPアドレスを保有して、リクエストやデータの送受信を可能にしています。

WebサイトのIPアドレスはURLと紐づいているので、IPアドレスを知らなくてもURLさえ知っていれば問題はありません。ユーザーはインターネットに接続するたび、プロバイダからその場限りのIPアドレスを付与されます。

これまでは、インターネットプロトコルの第4バージョンにあたる「IPv4」が主流でしたが、IPアドレスが枯渇するという問題を抱えていました。

IPv4のIPアドレスは、0から255までの数字を4つのブロックで表示します。この方法で割り当てられるIPアドレスの数は、256の4乗となり、約42.95億個です。この個数では、全世界でネットを利用するには少ないといえるでしょう。

そこで登場したのが、第6バージョンのIPv6です。IPアドレスは4桁の16進数(0~fまで)を、8つのブロックで表示します。この方法なら、割り当てられるIPアドレスの数は、65,536の4乗となり、約340澗です。澗は億、兆、京に続く位です。

ただし、IPアドレスが増えただけで、通信速度が改善するわけではありません。IPv4とIPv6では、通信方式も異なります。従来は「PPPoE(Point-to-Point Protocol over Ethernet)という方式でした。IPv6では、「IPoE(Internet Protocol over Ethernet)」という方式を採用しています。

光回線をIPv6接続にするメリット

PPPoEとIPoEの違いは、インターネットに接続するまでの経路です。

PPPoEは、必ずプロバイダの「網終端装置」を経由します。そこでプロバイダから付与されたIDとパスワードが確認されて、インターネットに接続する処理が行われるという流れです。そのため、ユーザーのアクセスが集中すると、処理に時間がかかって速度が遅くなったように感じられます。

一方で、IPoEは網終端装置を経由しません。代わりに大量の通信処理が可能なゲートウェイルーターを通ります。IDとパスワードの確認も必要ありません。

つまり、光回線の通信方式をIPv6に切り替えれば、ユーザーのアクセスが集中しても混雑しづらく、常に安定した速度でインターネットが利用できます。

ほかにも、IPv6ではIPsecという技術が採用されており、データを送受信するときに暗号化してくれます。利用にあたっては特別な工事や設定の変更も不要です。

光回線をIPv6接続にするデメリット

IPv6には、IPv4にしか対応していないWebサイトにアクセスできないという欠点があります。データの形式が異なるので、IPv4しか対応していないWebサイトでは受け取ったデータを処理できません。

そのため、光回線をIPv6に切り替えると、一部のWebサイトが利用できなくなるおそれがあります。IPv6は最近になってから実用化された規格なので、未対応のWebサイトも少なくありません。

そこで、多くのプロバイダでは、「IPv4 over IPv6」という技術を使って、未対応のWebサイトを利用できるようにしています。IPv4のデータを送信時にIPv6用へ変換し、Webサイトで受け取る際にIPv4用へ再変換するという仕組みです。

利用にあたっては、IPv4 over IPv6に対応しているルーターが必要になります。

ビッグローブ光なら「IPv6」で快適回線の利用が可能!

ビッグローブ光はIPv6対応です。新規に申し込むと、利用開始時にはIPv6(IPv4 over IPv6)で接続できるようになっています。別途手続きしたり、専用機器を用意したりする必要はありません(2021年12月現在)。

しかし、以前から利用している場合はIPv4のままなので、「IPv6オプション」というサービスを追加します。どのようなサービスなのか、詳しくご紹介します。

ビックローブ光の「IPv6オプション」利用について

IPv6オプションは、BIGLOBEが提供する光回線のうち、ビッグローブ光とフレッツ光、ドコモ光で利用できるサービスです。

月額料金は無料ですが、IPv6に対応した機器を用意しなければいけません。ひかり電話を利用しているのであれば、専用機器がIPv6に対応しているので、ほかの機器は不要です。

それ以外の場合は、BIGLOBEで対応ルーターをレンタルするか、自分で用意します。

ビッグローブ光は「IPv6」のデメリットを解消している

IPv6オプションにより、IPv6でインターネットに接続できるため、ユーザーのアクセスによる通信速度の低下は軽減できるでしょう。もちろん、IPv4 over IPv6に対応しているので、特定のWebサイトが表示されないという心配もありません。

ただし、IPv6オプションでは、BIGLOBEの一部のサービスが利用できなくなるというデメリットがあります。例えば、固定IPアドレスの使用、特定ポートの開放、外部へのサーバー公開などです。

そこで、BIGLOBEでは「IPv6オプションライト」というサービスを用意しています。これは、IPv4に対応しているWebサイトはPPPoE、IPv6ならIPoEで接続するという方式です。IPv6オプションライトならすべてのサービスの利用が可能になります。

月額料金はかからず、専用機器も不要ですが、一部のWebサイトは従来のPPPoEで接続するため、IPv6オプションほど通信速度は改善されない可能性があります。

それでも、通信速度の改善を優先したいのであれば、IPv6オプションを選ぶと良いでしょう。

【ビッグローブ光】IPv6オプションの利用方法と流れ

最後に、IPv6オプションを申し込んでから、利用できるまでの流れを見てみましょう。

公式サイトから申し込む

IPv6オプションは、BIGLOBEのマイページから申し込めます。マイページにログインするには、BIGLOBEのIDとパスワードが必要です。どちらも、入会時に送られてくるBIGLOBE会員証の「お客さま基本情報」に記載されています。後から、IDはメールアドレスに、パスワードは任意の文字列に変更可能です。

ビッグローブ光の支払い方法を「KDDI請求」にしている場合は、au IDとそのパスワードでログインできます。

IPv6オプションに申し込むには、NTTのお客さまIDとアクセスキーも必要です。どちらも開通の案内に記載されているので、あらかじめ用意しておきましょう。

IPv6に対応した機器を用意する

IPv6で接続するには対応機器が必要です。以下の方法で入手できます。それぞれのメリットやデメリット、費用を見てみましょう。

ルーターをレンタルする

ビッグローブ光では、月額550円でIPv6対応のルーターをレンタルできます。2種類あり、どちらも無線LANでの接続が可能です。IPv4 over IPv6にも対応しています。

自分で選ぶのと違って、確実にIPv6で接続できるルーターが届くのがメリットです。一方で、レンタルしている限りは月額料金がかかるので、長期で使うほど、自分で購入するより割高になります。レンタルの解約時にはルーターを返送しなければいけません。返送手数料として1,430円がかかります。

ビッグローブ光電話を利用する

ビッグローブ光電話を利用するときは、光電話専用の機器が必要です。自分で用意することもできますが、BIGLOBEでは光電話を契約していれば無料でレンタルできます。いずれもIPv6対応です。

ただし、無線LANは搭載していないため、Wi-Fiで接続するには別途ルーターを購入するか、先述のとおりBIGLOBEからレンタルしなければいけません。

光電話の利用には月額550円かかります。auの携帯電話を利用しているユーザーであれば、auスマートバリューを適用できるので、携帯電話のプランによっては、実質無料になるでしょう。

自分でルーターを購入する

自分でルーターを購入する方法もあります。購入代金こそかかりますが、レンタルのように月額料金は発生せず、解約時に返却する手間もありません。長く使うなら、お得になります。

ただし、購入するルーターの種類に注意しましょう。

同じIPv6対応でも、IPv4 over IPv6を実現する上で、「MAP-E」という技術を使っているか、それ以外(DS Liteなど)を使っているルーターがあります。ビッグローブ光に対応しているのはMAP-Eです。必ずMAP-E対応のルーターを選びましょう。

「IPv6オプション」の利用を開始する

マイページでIPv6オプションの手続きを済ませると、2時間~1日ほどで、BIGLOBEから設定完了のメールが届き、IPv6で接続できるようになります。ルーターをレンタルした場合は、手元に届くまで数日ほどかかります。

すべての用意ができたら、機器を指示どおりに設置して、インターネットに接続しましょう。BIGLOBEのIPv6オプションを紹介するページでは、どの状態で接続しているか表示されるようになっています。「connected via IPv6」と表示されていれば、IPv6で表示されている状態です。

まとめ

IPv6で接続すると、アクセスの集中による混雑を避けられるため、通信速度の向上が期待できます。ビッグローブ光では、新規で申し込むと最初からIPv6に対応していますが、以前から利用して未対応の場合は、オプションの申し込みが必要です。専用の機器も用意しましょう。