マンションで光回線を利用したい!ポイントや事前に確認すること

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マンションで光回線を利用したいときは、何も知らずに契約すると、失敗するかもしれません。本記事では何を確認すれば良いのか、おすすめの光回線も紹介します。


・利用したい光回線が導入できるか確認が必要。

・速度は設備やプロバイダによって変わる。

・セット割やキャンペーン、キャッシュバックでお得に利用できる場合も。

早い!安い!マンションで使えるおすすめ光回線

まずは光回線の中から、導入されているマンションが多く、速度も出てリーズナブルなものを紹介します。

ソフトバンク光

ソフトバンクが提供するサービスで、NTTの光回線を借りている「光コラボレーション」の一種です。

マンションの場合、2年更新プランの月額料金は4,180円となります。通信速度は最大で1Gbpsです。プロバイダはYahoo!BBしか選べません。

開設にあたっては、3,300円の事務手数料がかかります。工事費は、光ファイバーが導入されていないマンションであれば26,400円、室内工事だけであれば10,560円です。

いずれも、土日祝日は3,300円の割増となります。NTT局内の工事だけであれば2,200円で、光回線はそのままに事業者だけを乗り換えるのであれば、工事費は無料です。

ソフトバンクやワイモバイルのスマホを使っていると「おうち割」が適用され、家族ひとりにつき最大で毎月1,100円(ワイモバイルは1,188円)が割引されます。利用にあたっては、ソフトバンク光が指定するオプション(月額550円~)の加入が必要です。

ドコモ光

NTTドコモが提供するサービスで、同じNTTグループではありますが、NTT東日本やNTT西日本から光回線を借りているので、光コラボレーションに該当します。

マンションの場合、料金プランは3種類あり、2年契約でタイプAは4,400円、タイプBは4,600円、単独タイプは4,180円です。

それぞれ組み合わせられるプロバイダが異なり、タイプAは18種類、タイプBは6種類の中から選べます。単独タイプは自分でプロバイダと契約しなければいけません。通信速度は最大で1Gbpsです。

開設にあたっては、3,300円の事務手数料がかかります。工事費は、マンションでの派遣工事があれば16,500円、NTT局内だけなら2,200円です。

土日祝日に派遣工事をすると、3,300円の割増となります。光回線はそのままに、事業者だけを乗り換えるのであれば、工事費は無料です。

ドコモ光は、光回線の中で唯一NTTドコモのスマホでセット割を適用できます。同じファミリー割引のグループ内にいる家族ひとりにつき、最大で毎月1,100円の割引です。ドコモ光で別途オプションに加入する必要はありません。

ファミリー割引の適用範囲は広く、三親等以内なら別居していてもグループを組めます。

ビッグローブ光

BIGLOBEが提供する光コラボレーションのサービスです。マンションの場合、月額料金は3年契約で4,378円となります。

3年契約と聞くと長く感じるかもしれませんが、引っ越しするときに転居先の工事費が無料になる特典付きです。通信速度は最大1Gbpsで、プロバイダはBIGLOBEしか選べません。

開設にあたっては、3,300円の申込手数料がかかります。工事費は、光コンセントやLANケーブルの差し込み口が部屋に設置されていれば8,360円です。

VDSL方式だったり、まったく光回線が引き込まれていなかったりする場合は16,500円となります。いずれも土日祝日の工事は3,300円の割増です。

光回線はそのままに、事業者だけを乗り換えるのであれば、工事費は無料となります。

スマホとのセット割は、auが対象です。プランによって、ビッグローブ光の月額料金から最大1,320円の割引となります。

逆にauのスマートバリューを適用することもできますが、オプションのビッグローブ光電話の加入が必要ですし、セット割との併用はできません。

BIGLOBEでは、ほかにもドコモ光やフレッツ光といったNTTの光回線を使ったサービスを提供しており、それぞれ契約先と月額料金、セット割を適用できるスマホが異なります。

So-net光プラス

So-netが提供する光コラボレーションのサービスで、マンションの場合、月額料金は3年契約で4,928円です。

BIGLOBEと違って、引っ越し先の工事費は無料になりません(9,900円かかります)。通信速度は最大1Gbpsで、プロバイダはSo-netのみです。

開設にあたっては、3,300円の事務手数料がかかります。工事費は、派遣の有無や室内配線の有無にかかわらず、一律で26,400円です。

土日祝日は3,300円が割増されます。光回線はそのままに、事業者だけを乗り換えるのであれば、工事費は無料です。

スマホとのセット割は、auのスマートバリューを適用できます。オプションの光電話の加入が必要ですが、auに加入している家族全員のスマホの月額料金から、最大で1,100円が割り引かれます。

マンションで光回線を契約するときのポイント【事前確認編】

続いて、マンションで新たに光回線を契約するときのポイントを見てみましょう。まずは事前確認しなければいけないことです。

住んでいるマンションに対応している?

まずは、現在住んでいる、あるいはこれから住むマンションが光回線に対応しているか、確認しましょう。

部屋の中を見て、光コンセントやLANの差し込み口があれば、光回線が導入されているはずです。使いたい光回線の事業者に申し込めば、工事なしで利用できるでしょう。

コンセントや差し込み口があるだけで、光回線が部屋まで届いていなくても、配線工事だけで使えるので、事業者によっては安価な工事費で導入できます。

もし、部屋に光コンセントもLANの差し込み口もなければ、管理会社やオーナーに光回線が導入されているか確認しましょう。

マンションのMDF室という部屋に光回線の設備があれば、部屋まで配線すると使えるようになります。あるいは「VDSL方式」といって、電話用のモジュラージャックに接続すれば、光回線を使えるかもしれません。

光回線に対応していることが確認できたら、次は事業者選びです。光回線は大きく分けて3種類あります。NTT(フレッツ光)、au(auひかり)や電力会社(コミュファやeoなど)、NURO(NURO光)です。

マンションがNTTの光回線を導入しているのであれば、NTT東日本・西日本のフレッツ光や、光コラボレーションを利用できます。

auであれば「auひかり」、NUROであれば「NURO光」しか選択できません。auひかりのエリア外では、電力会社の光回線が導入されている場合があります。

マンション側で「インターネット完備」と謳っているのであれば、事業者と契約しなくてもインターネットが利用できる状態です。

「光ファイバー対応」なら、光回線は導入されていますが、部屋で使うには各自で事業者と契約しなければいけません。単に「インターネット対応」だけなら、光回線以外(ケーブルテレビやADSL)かもしれません。

開通工事の許可が取れるか確認

もし、マンションのMDF室に光回線の設備が導入されていなければ、新たに光回線を引き込んで設置するための工事が必要です。

しかし、マンションはオーナーの所有物なので、借主が勝手に工事を依頼することはできません。工事をする際は、事前にオーナーや管理会社から許可を取りましょう。

どうしても許可が下りない場合は、個別に光回線を引き込み、設備を取り付けて利用する方法があります。この場合、マンションタイプではなくファミリータイプ(ホームタイプ)となるため、料金は割高になりますが、専用の光回線なので速度を期待できるのがメリットです。

ただし、利用にあたっては設備を取り付けたり、部屋まで光回線を引き込む工事をしたりしなければいけません。

オーナーや管理会社の許可が必要であり、穴あけをするのであれば断られる可能性があります。また、高層階に住んでいると、工事が不可能でファミリータイプを利用できないかもしれません。事業者に確認してみましょう。

ちなみに、住んでいるマンションが賃貸ではなく分譲であれば、少なくとも部屋の中は専有部分なので、工事をするのは自由です。ただし、MDF室は共用部分にあたるため、工事には管理組合の承諾が必要になります。ファミリータイプを導入するために外壁で作業する場合も同様です。

そもそもそのマンションが光回線の対応エリアか

オーナーや管理会社から許可を取れたとしても、そもそもマンションが光回線のエリア外であれば利用できません。工事を申し込む前に確認しておきましょう。

NTTのフレッツ光やauのauひかり、NUROのNURO光では、それぞれ公式サイトでエリアを確認できます。郵便番号や住所を入れて検索するだけなので簡単です。フレッツ光やNURO光なら、一部マンション名も表示されます。

ただしエリア内であっても、電柱と建物が離れていたり、間に障害物があったりすると、物理的に光回線を引き込むことができません。

申込時には分からなくても、現地調査で発覚するでしょう。その場合は光回線をあきらめて、後述する別の方法を検討しなければいけません。

マンションで光回線を契約するときのポイント【速度編】

インターネットを利用するときは、速度が重要です。速度が遅いと画面の表示に時間がかかったり、動画が固まったりするなどして、快適に利用できません。快適に利用するには、どのように選べば良いのか見てみましょう。

【速度】何よりも大切!?光回線の速度は?

先ほど紹介した光コラボレーションのマンションタイプは、いずれも最高速度が1Gbps(≒1,000Mbps)です。しかし、これは理論値であり、実際はさまざまな理由で速度が遅くなります。

確かに、インターネットの通信速度が速いとスムーズに使えるものの、使い方によってはそこまでの速度を必要としないかもしれません。

例えば、Webサイトを表示したり、メールを送受信したり、SNSやチャットを利用したりする程度であれば、1Mbpsで十分です。

YouTubeで動画を再生したり、ビデオ会議をしたりする場合も、3Mbps以上で快適になります。高画質の動画を再生したり、パソコンでオンラインゲームをしたりする場合でも、25Mbpsくらいです。

つまり、最高速度が1Gbpsも出れば、マンションタイプでも快適に利用できるでしょう。業務用で頻繁に大容量のデータをやり取りしない限り、それ以上の速度はオーバースペックになり、コスパも良くないかもしれません。

【速度】マンションの光回線が遅く感じるのは?

マンションタイプは、1本の光回線を各部屋でシェアする形式です。同時にインターネットを使う人数が多くなるほど、ひとりあたりの速度は遅くなります。

例えば、1Gbpsを5人でシェアすれば、ひとりあたり200Mbpsくらいが上限です。

また、部屋までの配線形式によっても速度は変わります。光ケーブルで配線されて、光コンセントで接続する形式であれば、最大1Gbpsでの利用が可能です。しかし、LANやVDSL方式だった場合は、最大速度が100Mbpsまでしか出ません。

さらに、その先の環境によっても速度は遅くなります。例えばLANケーブルです。LANケーブルには「CAT」という規格があり、後ろにつく数字が小さいほど、速度の上限が低くなります。

1Gbpsの環境下で利用するなら、少なくともCAT5e以降でなければいけません。CAT7であれば10Gbpsまで対応しています。

次にWi-Fiです。こちらもさまざまな規格があり、1Gbpsの環境下で利用するなら、無線ルーターがacやadという規格に対応していなければいけません。

ほかにも「MINO」という、同時に複数のアンテナを使って通信効率を上げるという機能があり、2×2など数字が大きくなるほど高速の通信が可能です。

また、パソコンやスマホの処理能力も体感速度に影響します。処理能力が低ければ、せっかくデータが届いても、すぐに表示したり、再生したりすることができません。

もし、光コンセントなのに十分な速度が出ない場合は、部屋で利用する機器を見直してみましょう。

逆にプロバイダ側の問題も考えられます。インターネットの接続方式には、「IPv4 PPPoE」と「IPv6 IPoE」の2種類があり、後者のほうが高速です。前者を採用しているプロバイダでは、夜間や休日など一度に多くの加入者が利用したときに速度が下がってしまいます。

そのため、プロバイダを選ぶときは、「IPv6 IPoE」の接続方式に対応しているか確認しましょう。IPv4とIPv6では表示できるWebサイトが異なるため、両方とも表示できる「IPv4 over IPv6」という接続方式を導入しているのが一般的です。

なお、IPv6 IPoEを利用するには、対応しているONU(回線終端装置)やホームゲートウェイ、ルーターも必要になります。

マンションで光回線を契約するときのポイント【お得・値段編】

光回線は速度も大事ですが、工事費や毎月の利用料金も気になるところです。お得に利用するには、どこに注目すれば良いのでしょうか。

スマホとセット割が適用されている?

スマホとのセット割が適用されると、毎月スマホか光回線の利用料金から一定額が割引されます。光回線の契約はひとつだけですから、スマホの利用料金が割引されると、家族が多いほどお得になるでしょう。

例えば、ドコモ光は先述のとおり、NTTドコモのスマホの利用料金が割引されます。

NTTドコモのファミリー割引は、最大で20回線のグループを組むことが可能です。プランにもよりますが、各回線で1,100円の割引が適用されれば、毎月22,000円がお得になります。

逆に、ひとり暮らしの場合は、それほど恩恵を受けられないので、あまりこだわらなくても良いでしょう。

キャッシュバックやキャンペーンの状況は?

光回線の中には、キャッシュバックを適用したり、キャンペーンを行ったりするなどして、お得に利用できるところがあります。

月額料金や工事費が高かったり、乗り換えにあたって違約金が発生したりする場合でも、これらによって安くなるかもしれません。

こうしたキャッシュバックやキャンペーンは、事業者だけでなくプロバイダや代理店が単独で実施しているものもあります。

そのため、同じ光回線でも申込先が違えば適用されません。申し込むときは、どこがお得なのか比較してみましょう。

もうひとつ気をつけたいのが、キャッシュバックやキャンペーンの適用条件です。利用期間が決まっていたり、オプションの加入が必要だったりするなど、さまざまな条件があります。

特に後者は、オプションを追加したばかりに、総支払額がほかの事業者と変わらなかったというケースも少なくありません。

利用するときは、条件を確認するだけでなく、実質の総支払額がいくらになるのか計算しましょう。

「初期費用+月額料金-キャッシュバックやキャンペーンで割引になる金額」で計算できます。

また、キャッシュバックのように、受け取れるまで日数がかかるものは、申込先の信頼性も確認したいところです。

キャッシュバックを受け取るまでに倒産したり、連絡がつかなくなったりするおそれがあります。手続きが必要になる場合もあるので、忘れないようにしましょう。

工事費などにも注目しよう

新規に光回線を引き込む工事費は意外と高いものです。1万円台後半から2万円以上かかる事業者もあります。キャンペーンで無料になったり、キャッシュバックで還元されたりする場合もありますが、常時適用されるわけではありません。

節約するには安い事業者を選んだり、すでに部屋まで光回線が導入されているマンションを選んだりしましょう。

マンションで光回線が利用できない場合におすすめなのは

工事が許可されなかったり、短期間で引っ越しする可能性があって違約金が心配だったりする場合は、光回線を利用できません。そんなときは、ホームルーターやポケットWi-Fiなど、無線形式のインターネットを利用すると良いでしょう。

無線形式のインターネットは、工事が不要で月額料金も光回線よりお手頃なのが魅力です。

速度も5G通信に対応していれば、最大で2Gbps以上出る事業者もあります。ポケットWi-Fiなら持ち運びができるので、外出先での利用も可能です。携帯電話会社の通信網を利用していれば、ほぼ全国どこでも使えるでしょう。

一方で、光回線と比べて通信や速度が不安定だったり、通信量が制限されていたりするなどのデメリットもあります。後者は、3日間で10~15GBまでというのが一般的です。動画を見たり、オンラインゲームをしたりすると、あっという間に達してしまうでしょう。通信量をオーバーすると、しばらくの間、極端に速度が遅くなってしまいます。

自分の使い方と照らし合わせて、支障がなければ検討してみましょう。

まとめ

マンションで光回線を利用するなら、すでに導入されているのか確認が必要です。導入されていなければ工事をしなければならず、オーナーや管理会社の許可を取らなければいけません。

期待どおりの速度を出すには、設備を整えたり、速い接続方式を採用しているプロバイダを選んだりする方法があります。

セット割やキャンペーン、キャッシュバックを上手に活用すると、工事費や月額料金が安くなり、お得に利用できるでしょう。