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「光回線」と「モバイルWi-Fi」とは
Wi-Fiといえば、スマートフォンやパソコンでネットを使う際に、無線でつなぐためのインターネット回線として捉えられることが多いでしょう。
そもそもWi-Fiとは、無線でデータをやり取りする通信方式であります。端末同士を無線で接続できるようにするための規格です。
Wi-Fiを使用するためには、インターネット回線が必要となります。このインターネット回線に該当するのが、「光回線」と「モバイルWi-Fi」です。
光回線は「光ファイバーを使ったインターネット回線」
光回線では、光ケーブルを使ってデータのやり取りを行います。
光回線を利用するには、電柱近くに専用設備を取り付けて光ファイバーを引き込み、建物内まで配線しなければいけません。新規ご利用の際には、必ず業者による工事が必要です。
光ファイバーの終端には「ONU(回線終端装置)」や「ホームゲートウェイ」が取り付けられ、有線や無線でパソコンやスマホと接続します。多くの光回線事業者が存在し、理論上の最大速度は1~10Gbpsです。
高速で一度に大容量のやり取りができて、通信が安定しているという光回線の特性を活かして、光電話や光テレビといったサービスを利用できる光回線事業者もあります。
モバイルWi-Fiは「電波を使ったインターネット回線」
一方、モバイルWi-Fiは、端末を小型化して持ち運びできるようにしたものです。工事が不要で、契約後にSIMカードを差して電源を入れれば、すぐに利用できます。利用にあたっては、無線の中継点となる基地局が近くにあり、端末まで電波が届かなければいけません。
最大速度は事業者や端末にもよりますが、1Gpbs以上に対応しているものもあります。ただし、光回線のような電話やテレビといったサービスの提供はありません。
【比較】「光回線」と「モバイルWi-Fi」4つの違い
では、光回線とモバイルWi-Fiではどこが違うのか、工事費、月額料金、通信速度、特徴の4つで比較してみましょう。
| 光回線 | モバイルWi-Fi |
初期費用 | 工事費+事務手数料。50,000円ほどかかる場合も。 | 端末購入代+事務手数料。端末の代金によって光回線と変わらない場合も。 |
月額料金 | 4,000~5,000円台(最大速度1Gbpsの場合)。キャンペーンの適用で安くなる。 | 4,000円台後半。キャンペーンの適用で安くなる。 |
通信速度 | 速くて安定している。 | 速いが不安定。上りは遅い。 |
特徴 | 光電話や光テレビを利用できる。キャンペーンが豊富。 | すぐに利用できる。持ち運びが可能。 |
初期費用(工事費)
光回線を新規に導入するときは、光回線事業者にもよりますが、16,500~44,000円ほどかかります。一般的に、マンションより戸建てのほうが工事費は高めです。土日祝日の工事であれば追加料金が上乗せされるほか、事務手数料も支払わなければいけません。
一方、モバイルWi-Fiは工事が不要で、初期費用は事務手数料と端末の購入費だけです。ただし、端末の代金によっては、光回線の工事費と同じくらいの初期費用がかかるかもしれません。
なお、光回線の工事費やモバイルWi-Fiの端末購入費は、無料もしくは割引になったり、相当額をキャッシュバックしたりするキャンペーンがあります。上手に活用すれば、少ない負担で導入できるでしょう。
月額料金
モバイルWi-Fiの月額料金は、大手のUQモバイルやワイモバイルで4,818円です(UQモバイルは2年契約の場合)。ただし、多くの事業者では、最初の2年間の月額料金が500円ほど安くなるキャンペーンを実施しており、適用されれば4,000円台前半で利用できます。
一方、光回線の月額料金は、ドコモ光なら戸建てが5,720円、マンションが4,400円です(タイプAの場合。最大速度は1Gbps)。ソフトバンク光は戸建てが5,720円(ファミリータイプの場合、最大速度は1Gbps)、マンションが4,180円となります。ビッグローブ光では戸建てが5,478円で、マンションが4,378円です。
ビッグローブ光は3年契約、ほかは2年契約の月額料金となります。
モバイルWi-Fiと同様にキャンペーンで月額料金が割り引かれる事業者なら、お得に利用できるでしょう。マンションタイプであれば、むしろ光回線のほうが割安です。
通信速度
一方、理論上の最高通信速度は、光回線が1~10Gbpsです。モバイルWi-Fiも1Gbps以上の端末があります。しかし、これはデータを受信するとき(下り)の速度です。データを送信するとき(上り)の速度には、大きな差があります。
光回線は、下りとほぼ同じ速度が出ますが、モバイルWi-Fiは150Mbps(0.15Gbps)程度が限界です。実効速度はさらに遅くなるでしょう。
そのため、動画のアップロードや、オンラインゲームのプレイなどの使い方には不向きです。通信の安定性にも欠け、快適とは言い難いでしょう。
特徴
モバイルWi-Fiは、持ち運びができて、エリア内ならどこでも使えるのがメリットです。工事が不要で、申込から数日程度で利用できます。
ただし、無制限のプランでも直近の通信量には上限があり、それを超えると数日ほど速度制限がかかるデメリットがあります。動画視聴やオンラインゲームではあっという間に上限に達してしまうでしょう。
一方、光回線は高速で安定しているのがメリットです。事業者によっては光電話や光テレビといったサービスも利用できます。ただし、自宅以外では利用できず、初期費用も高く、申込から利用できるまでは2週間から数ヶ月ほどかかってしまいます。
その代わり、光回線は事業者や代理店の数が多く、お得なキャンペーンが豊富です。条件に合えば、キャッシュバックや月額料金の割引などが適用されます。
「モバイルWi-Fi」よりも「光回線」がお得!
ここまで見てきたとおり、モバイルWi-Fiも光回線も総額の料金はそれほど変わりません。高いといわれる工事費もキャンペーンを利用すれば、実質的に無料にすることもできます。むしろ、高速で安定している分だけ、光回線のほうがコスパは優れているかもしれません。
光回線とモバイルWi-Fiの両方を提供しているBIGLOBEで比較してみましょう。
| ビッグローブ光 | BIGLOBE WiMAX 2+ |
初期費用 | 11,660~26,400円 | 3,300~24,420円 |
月額料金 | 4,378~5,478円 | 4,378円 |
キャンペーン | 工事費実質無料。 最大40,000円のキャッシュバック。 | データ端末同時申込で17,000円のキャッシュバック。 |
スマホの割引 | auとのセット割 (プランによって毎月550~1,320円の割引) | auスマートバリューmine (プランによって毎月550~1,100円の割引) |
初期費用は、WiMAXのほうで端末を購入すると、ほとんど変わらなくなります。月額料金はファミリータイプだと光のほうが高くなりますが、マンションでは同じです。スマホのセット割も、ほぼ同じといえるでしょう。
最も差がつくのは、キャンペーンでお得になる金額です。光は最大で59,800円、WiMAXは17,000円なので、42,800円の差があります。ファミリータイプとWiMAXの月額料金は1,100円の差なので、3年利用してもまだ光のほうが割安です。
まとめ
光回線とモバイルWi-Fiは、接続方法が有線と無線というのが大きな違いです。総費用はほぼ同じか、キャンペーンが適用されると光回線のほうが安くなる場合もあります。高速で安定した通信を求めるなら光回線、外出先でも高速通信を可能にしたい場合は、モバイルWi-Fiがおすすめといえるでしょう。