ドコモのポケットWi-Fiって無制限で使える?注意点は?

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NTTドコモでは、ポケットWi-Fiの端末を販売しており、外出先でも高速でインターネットを利用できます。ただし、契約するプランを間違うとデータ量は無制限になりません。どのプランで無制限になるのか、条件や注意点を紹介します。


・ドコモのポケットWi-Fiは、5Gに対応している場合、受信時の最高通信速度が4.2Gbpsと、一般的な光回線よりも高速

・データ量を無制限にするには「5Gギガホプレミア」というプランで契約する必要あり

・割引もあるが、他社の月額料金より割高

・光回線のほうが通信は安定しており、容量や速度の制限がなく、割引の対象となるスマートフォンのキャリアも多い

ドコモのポケットWi-Fiとは

まずは、ドコモのポケットWi-Fiについて知っておきましょう。

ドコモのポケットWi-Fiの種類

ドコモのポケットWi-Fiは、携帯電話やスマートフォンと同じネットワークを利用して、インターネットに接続します。ドコモのエリア内であれば、どこでも接続が可能です。

2021年11月現在では3種類の端末を販売しています。いずれもシャープ製です。それぞれ、以下の特徴があります。

Wi-Fi STATION SH-05L

2019年11月に発売された機種です。「プレミアム4G」という複数の周波数を束ねて利用する技術によって、4Gでも受信時に最大988Mbpsの通信速度を実現しています。送信時は75Mbpsです。ただし、5Gには対応していません。

無線で接続するだけでなく、USBケーブルを使って有線の接続もできます。さらに付属のクレードルを使えば、LANケーブルでも接続できるので便利です。

Wi-Fi STATION SH-52A

2020年6月に発売された機種で、5Gに対応しています。最大通信速度は、受信時が4.2Gbps、送信時でも480Mbpsです。4Gでも受信時が1.7Gbps、送信時は131.3Mbpsとなります。

USB3.0の端子と2.5GBASE-TのLANポートを備えており、無線でも「Wi-Fi6」対応の端末なら、高速のままデータのやり取りが可能です。

高機能である反面、価格は約7万円と高額であるため、今後は次に紹介する後継機種のSH-52Bが主流になるでしょう。

Wi-Fi STATION SH-52B

2021年9月に発売された機種で、SH-51Bの後継です。ひと回り小さく、コンパクトなサイズ感です。同じく5GやUSB3.0、Wi-Fi6に対応していますが、LANポートは備えていません。5Gでの最大送信速度も218Mbpsに抑えられています。有線LANで接続するには、別売のクレードルが必要です。

その代わり一括で35,640円からと、購入しやすい価格に設定されています。SH-05L(27,720円)と比べても、8,000円くらいしか違いません。

ドコモのポケットWi-Fiは無制限で利用できる

ドコモのポケットWi-Fiは、「5Gギガホプレミア」というプランで利用すると、データ量が無制限です。ほかのプランでは、消費したデータ量が上限を超えると、月末まで速度制限がかかります。5Gギガホプレミアは無制限なので、そのような心配はありません。

月額料金は7,315円です。定期契約はないので、中途解約による違約金もありません。消費したデータ量が3GB以下であれば、月額料金は5,665円になるので、あまり使わない月でも安心です。

なお、5Gギガホプレミアは、5Gに対応した機種でないと利用できません。5Gに対応していないSH-05Lは、「ギガホプレミア」というプランになりますが、毎月のデータ量は60GBの上限が設けられています。

ドコモのポケットWi-Fiがおすすめされる理由

続いて、ドコモのポケットWi-Fiの魅力を見ていきましょう。

通信速度が速い

先述のとおり、5Gに対応したポケットWi-Fiであれば、最大通信速度は受信時で4.2Gbps、送信時で218Mbps(または480Mbps)です。4Gエリアでも受信時が1.7Gbps、送信時は131.3Mbpsで利用できます。

他社のポケットWi-Fiは、5Gの受信時で2Gbps台、送信時で100Mbpsですから、ドコモのポケットWi-Fiは圧倒しているといえるでしょう。光回線と比べても、受信時については引けを取りません。

さらにドコモは5Gのエリアが積極的に展開されています。主要都市はもちろん、地方の市町村にも拡大しており、他社よりも高速で利用できるところが多いのが魅力です。

キャンペーンでお得に使える

ドコモのポケットWi-Fiは、高性能である反面、他社と比べて7,315円という月額料金が割高に感じられるかもしれません。しかし、割引の適用でお得になります。

たとえば「みんなドコモ割」です。家族もドコモの回線を契約していて、同じファミリー割引のグループを組んでいるなら、2回線で550円、3回線以上なら1,100円割り引かれます。

続いて「ドコモ光セット割」です。ファミリー割引のグループで、誰かがドコモ光を契約していれば、1,100円割り引かれます。従量制のドコモ光ミニなら550円です。

そして、5Gギガホプレミアの月額料金を「dカード」で支払うと、187円が割り引かれます。これらをトータルすると、最大で2,387円が割り引かれ、月額料金は4,928円です。消費したデータ量が3GB以下の月でも同額が割り引かれ、3,278円になります。

ドコモのポケットWi-Fiを検討している方への注意点

ここまで紹介したとおり、ドコモのポケットWi-Fiを無制限で使うには、5Gギガホプレミアというプランで利用するのが条件です。5Gギガホプレミアは5G対応の機種でないと契約できないため、4Gにしか対応していないポケットWi-Fi(SH-05L)は対象外となります。つまり、現行の機種ではSH-52AかSH-52Bでないと無制限になりません。

なお、ドコモではスマートフォン以外に、2台目としてデータ通信専用の端末を契約すると、「データプラス」というプランを契約できます。月額料金は1,100円です。

ただし、親回線となるスマートフォンで無制限の5Gギガホプレミアを契約しても、2台目の機種で使えるデータ量の上限は30GBです。それ以上使うと月末まで最大1Mbpsの速度制限がかかってしまいます。

あくまでも、ポケットWi-Fi単独で5Gギガホプレミアを契約しているのが条件です。

ちなみに、ひとりで複数の回線を契約しても、人数は「ひとり」とカウントされるので、ファミリー割引のグループはつくれません。また、データプラスは音声通話を利用できないので、主回線をポケットWi-Fiにして、副回線をスマートフォンにするのも現実的ではないでしょう。

Wi-Fiを無制限に使いたいなら!

このように、ドコモのポケットWi-Fiは、高性能でありながら、お得に使える条件が限られているのが難点です。最高速度やエリアに目をつぶれば、他社には無制限で5,000円以下で利用できるプランがあります。

また、自宅で光回線を使えるのであれば、あえてポケットWi-Fiを契約する必要はないでしょう。その理由は3つあります。

まず、ポケットWi-Fiは無線で通信するので不安定です。場所や時間帯などによって速度が遅くなったり、接続が切れやすくなったりします。有線で接続する光回線のほうが安定しているといえるでしょう。

次に、光回線は受信時の最高速度こそ1Gbpsですが、送信時も同じく1Gbpsです。オンラインゲームやWeb会議など、頻繁にデータのやり取りをしたり、動画など容量の大きいデータをアップロードしたりするときは、光回線のほうが快適に使えるでしょう。

さらに、ポケットWi-Fiは直近3日間のデータ量が多いと、一時的に速度が制限されます。ドコモでは具体的なデータ量を公表していませんが、他社では10GBや15GBです。オンラインゲームやWeb会議、動画の閲覧、OSのアップデートなどで簡単に達してしまいます。光回線ではそのような制限はありません。

料金面でも、光回線の中にはスマートフォンとのセット割が適用できるものがあります。たとえば、ドコモ光はドコモ、ソフトバンク光はソフトバンクやワイモバイル、ビッグローブ光はauのスマートフォンとセット割が可能です。

外出時のインターネットは、よほど高速で大容量の通信を必要としなければ、スマートフォンのテザリングや公共のWi-Fiで対応できるでしょう。

まとめ

ドコモのポケットWi-Fiは、「5Gギガホプレミア」というプランで利用すると、データ量が無制限になります。高速で高機能ですが、月額料金は割高なので、可能であれば光回線を契約するのがおすすめです。